アニポケSMのグズマは果たして改悪なのか否か【無敗の帝王グズマ】

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グズマという男について

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アニメポケットモンスターSM115話「破壊の帝王グズマ」で出てきたキャラクター。

ゲームと同じくスカル団のリーダーであり、これまたゲームと同じくククイ博士を敵視している傾向にあり。

 

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これには過去に理由があり、ただひたすらに強さを求めて戦うグズマと当時から博士であり人とポケモンと自然の共存を重視する「アローラの風習」を大切にするククイ。

しかし、そんなククイに勝てないグズマはククイたちアローラの民の考える「アローラの風習」が自分には合わずハラの弟子を辞めてスカル団を自ら作ってまとめた。

そんなククイがポケモンリーグを作ると知り、自分が最強だと信じて疑わないグズマは妨害をしに来ました。

 

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そして成り行きでサトシとのバトルになり、何とピカチュウを圧倒していきます。

その強さはZワザですら完全防御をするほどで、作中でグソクムシャは三度Zワザを使われたが、全て受け止めるか技で相殺して耐え抜くレベルの強さを持つ。

グズマはよほど自分のグソクムシャの強さに信頼を置いている様子。

 

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しかしピカチュウの電光石火が腹部に直撃してグソクムシャは怯んでしまい、そこでグソクムシャはボールに戻ってしまいます。

ここではなぜグソクムシャがボールに帰ったのかは明かされません。

 

グズマの戦い方と周りの反応

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そしてそんなグズマもアローラリーグへ参加。

予選のバトルロイヤルを勝ち抜き一回戦は優勝候補のイリマとバトル。

イリマは過去にカロスリーグに出場しており、メガシンカとZワザの両方を使うトレーナー。

予選でイーブイの足が負傷した為か、今回はメガガルーラでグズマに挑んだ。

 

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さすがにメガガルーラのパワーに押され気味なハッサム。

それもそのはず、メガシンカといえばアニメポケットモンスターXYでも大暴れしたポケモンであり基本メガシンカ相手にはメガシンカやZワザなど特別な力がないと勝つのがぶっちゃけ難しいです。

 

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しかし、グズマはメガガルーラの特性を逆手に取り、上手くハッサムに位置取りをさせることで上手くメガガルーラと戦います。

一直線上に並ぶことで親ガルーラは子ガルーラに攻撃が当たる恐れを危惧して攻撃が出来ずハッサムだけが一方的にガルーラに攻撃が出来た為、イリマがハッサムの攻撃を対応しようとした頃には避ける体力が残っておらずグズマが勝ちました。

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その時のリーリエの発言がコチラ。

Twitterでは「は!?グズマ何も悪いことしてないじゃん!?何言ってんだよリーリエ!!」とぶちギレる人が居たとか居なかったんだとか。

 

この発言は見る人によって受け取り方が違うかと思われる。

俺はいい戦法だと思った」と感じる人もいれば「親の感情に漬け込むなんて酷い」と感じる人もいる。

これには二回戦の後に分かるが「ポケモンバトルにおいて何を重視しているか」が鍵となる。

 

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続く二回戦でもグズマはスイレン相手に今度は苦戦することなく圧勝。

しかし、スイレンがククイの生徒だったからかアシレーヌを痛めつけるような戦い方をしており観客は一部引いている程。

これにはリーリエやマオ、マーマネも難色を示し「乱暴なやつ」「許せない」「あのようなバトルは好きになれない」と言われる一方的でカキやスイレンには「冷静な判断で持っている技を的確に使っていた」「でもルール違反はしていない」と擁護も入っていた。

そう、作中のキャラでグズマへの評価が分かれているのだ。

 

これにはまず共通認識として「作中のどのキャラもグズマの戦い方を卑怯、反則などとは言っていない」のである。

注目すべきところはリーリエの発言の「好きになれない」という部分であり、そもそもこの話の論点は「グズマが卑怯か否か」の話ではなく「グズマの戦い方は好きか否か」というところ。

そう、冒頭でキレてた人はリーリエは悪いなんて一言も言ってないのに勝手に曲解的な解釈してキレてたのだ。リーリエからしたら何て迷惑なオタクなんだろうという話だ。やはりオタクは罪。

 

そういう観点でグズマの試合を振り返ると、グズマの戦法は親の感情に漬け込んだ作戦だからハラの言う通り褒められたものではないと思う。
しかしガルーラ戦での位置取りを利用した戦い方はめちゃくちゃ上手いなという話。

 

そして親ガルーラの気持ちを考えて可哀想だと感じたのがリーリエたちバトルエンジョイ勢で、あの戦い方は上手いなと感じて理解を示したのがカキたちバトル競技勢
人それぞれあのバトルを見て捉え方が違うというのがこの話の重要なところだ。

 

アローラリーグ準決勝

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そしてアローラリーグ準決勝、ついにサトシvsグズマが来る。

初手で超有利な対面になるがハッサムのとんぼ返りでグソクムシャvsニャヒートになってしまう。

しかし、ニャヒートは頑張ってグソクムシャに何とか食らいつきバトルをするがそんな中、ニャヒートが特大の大文字を出した瞬間グソクムシャはその大文字を見て手持ちのハッサムと交代。

しかもグズマが指示をしようとしている最中に。

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もちろん炎四倍のハッサムは避ける間もなく何も出来ず撃沈。

特性「ききかいひ」はゲームでは体力が半分以下になると手持ちと交代する特性である。

これによりハッサムは倒れたのでグズマの残るポケモンはグソクムシャのみに…。

 

グソクムシャのききかいひとグズマの激怒の理由

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そして、そんなグソクムシャにグズマは激怒!

これにはグズマファンである厄介なオタクどもが「ゲームのグズマは自分のポケモンを責めない!ポケモンを上手く活かせなかった自分を責める!」と大荒れ状態。

 

しかし、考えてみて欲しい。これは果たしてグズマ側に非があるのだろうか?

ゲームと同じききかいひならともかく「グソクムシャは攻撃を受けた直後ではなく明らかにニャヒートの大文字を見てから意図的に危機回避を発動させている」のだが、この任意的に発動するききかいひの仕様は「グソクムシャが危険かどうかを判断してボールに戻っている」様子。

 

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そこでグズマはゲームのマリエ庭園のように「何やってるんだグズマァァァ!!グソクムシャが勝手にボールに戻ってもハッサムを守ってやれよォォ!!」みたいな感じで自分を責めれば良かったのだろうか?

それは違うだろう。明らかに他者のミスを自分のミスにして責めるのは最早キチガイだ。

あくまでもニャヒートの攻撃から逃げてハッサムを無駄死にさせたグソクムシャの過失であるのでグズマに非はない。

 

そして一番の違いは「アニメとゲーム」という点であり、ゲームは「バトル中はトレーナーが指示してポケモンが行動する」のでどう足掻いてもトレーナーの責任になるがアニメの場合は「ポケモンが勝手に行動する場合がある」のだ。

今回のケースはまさに後者で、ゲームのグズマは「上手くポケモンを活かせなかった自分に怒ってる」けどアニメのグズマは「逃げてハッサムを無駄死にさせたグソクムシャに怒ってる」ので、ゲームとは違いグズマに非は殆ど無いケースだから別の話であることを当時の厄介オタク達は考えていない様子。

 

むしろ、ハッサムを盾にして逃げたことを考えるとグズマはグソクムシャに怒らなければならない。

そう、怒っていいんだぞ。グズマ!俺はお前の理解者だ!共に戦おう!厄介オタクと!!

 

グズマとグソクムシャに足りなかったもの

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だからと言ってグズマに全く非がないといえば実はそうでも無い。

そもそもグズマはグソクムシャの強さを信頼しているのだ。

その信頼の厚さはすごくZワザをぶった斬ったり真正面から受け止めさせたりさせるほどで、自分のグソクムシャは強いと信じているのだ。

だからこそそもそもグズマはグソクムシャが追い詰められているとは思っておらず、逃げたグソクムシャに激怒をした。

この激怒の後、サトシはニャヒートに「まだ戦えるか?」と聞いている。

 

ここがグズマの足りないところ。

サトシはポケモンたちの声を昔からよく聞いているがグズマはグソクムシャの強さへ信頼するあまりグソクムシャの状態のことを聞かないのだ。俺のグソクムシャなら大丈夫だと過信しているとも言える。

 

そして、一方でグソクムシャが足りないところは分かりやすい。

先程も散々言った逃げるところである。

それがこの二人の課題でもある。

 

グズマとグソクムシャの成長

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グソクムシャに激怒し、サトシとのバトルの中、グソクムシャとグズマに変化が訪れる。

ニャヒートを倒し、ピカチュウと接戦の中でサトシとピカチュウはZワザであるスパーキングギガボルトを放つ。

 

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スパーキングギガボルトといえばグソクムシャには効果は抜群のZワザ。受ければ当然無事では済まされないだろう。

そんなスパーキングギガボルトをグソクムシャはグズマの指示なしで自ら受け止める構えを取ったのだ。

これは「もう逃げない」というグソクムシャの心情の変化を現したものであり、グソクムシャの成長シーンである。

 

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「グソクムシャ……お前、まだやるのか?」「ムシャ!」「そうか…もう、逃げないんだな…」SM137話 無敗の帝王グズマ(グズマ)

Zワザを食らっても尚、戦う意志を見せるグソクムシャを見てグズマにも変化が現れる。

まずは上記のようにグソクムシャの安全と意志を確認する。

 

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「何やってんだグズマァァァ!!!!!」SM137話 無敗の帝王グズマ(グズマ)

自分の過去や今のグソクムシャで自分を見詰め直して己に喝を入れるグズマ。ここからはサトシのピカチュウと熱い攻防を繰り広げた末に敗北。

 

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今まではスカル団のリーダーということで観客からの拍手はなかったがグズマとグソクムシャの見事な戦いに今回は拍手を送った。

 

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そしてグズマはグソクムシャを心配して担ぎボールへ閉まったあとはスカル団と一緒にバトルの特訓に付けてあげるためリーグを後にした…。

ちゃんと台詞や行動などでグズマが成長したことがよくわかる。

このように未熟な部分を残していた二人はサトシとの戦いで成長して行ったのだ。

 

グズマ戦の評価

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グズマ戦が終わった後、Twitterでサーチをしていたがほとんどが絶賛、それこそ叩いていたことを謝る人も何人か見掛けた程。

結果的にはちゃんとアニポケを見てる人にとってはかなりの内容だった。

 

俺からの評価も「試合を跨いでテンポが良くない」「2対2」という点以外はとてもいい試合だったと思う。

… というのもそもそもグズマ戦はグソクムシャに激怒したところで跨いだから戦われてるわけでちゃんと一話に纏めていれば最初から絶賛されているはず。

テンポも含めてそうしていれば良かったなと思った。

これは他の準決勝、決勝戦にも言えることだが。

 

ということでグズマの改変についての考察でした。