クチバジム戦から見るサトシとピカチュウの信念

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でんげきたいけつ!クチバジム 感想

脚本家:冨岡淳広

作画監督:志村隆行

絵コンテ:日高政光

演出:日高政光

 

サトシとピカチュウを語るなら外せない名バトル!

なんでピカチュウはピカチュウなの?ライチュウの方が強いよね?とか疑問がある人はこれを読めば大体理解出来ることを約束しよう。

 

 

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松本梨香さんにとっても思い出深いクチバジム

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クチバジム戦はサトシの声優、松本梨香さんが心に残る名試合ベスト3に入るほどの試合である。

この回はこれからのサトシとピカチュウの関係や信念を構成する回でありこの回無しではサトシとピカチュウを語ることなど出来ないと言っても過言ではない。

 

 

 

 

 

過言ではない。

(大事なことなので二回言った)

 

ピカチュウが進化をしないその理由

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三つ目のバッチを手に入れるためにクチバシティにやって来たサトシたち。

このお話はまだおなさけバッチでサトシがカスミに嘗められている頃の話。

タケシ戦はスプリンクラーのおかげ、カスミ戦はロケット団からジムを守ってくれたからバッチを貰っただけであり、それまでサトシにとっての強敵はゲストキャラのアキラぐらいであった。(しかも普通に惨敗して終わった)

 

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そんな中、サトシにとって初めての壁であるのがマチス。

ピカチュウの進化系であるライチュウに圧倒されピカチュウはボロボロにやられてしまう。

当たり前だが進化前のポケモンよりは進化系のポケモンの方がパワーがあり有利だ。

マチスにバカにされて戦うも惨敗しサトシとピカチュウにとっては苦い思い出となる試合になった。

 

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重症を負い寝たきりになったピカチュウに、みんなでマチスのライチュウを倒す方法を考えているところジョーイさんがかみなりのいしで同じライチュウにする方法を提案する。

 

 

 

 

 

しかしピカチュウは拒んだ。

 

 

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「ライチュウをピカッとやっつけるならピカチュウのままじゃなきゃダメだ!」 14話 でんげきたいけつ!クチバジム!(ピカチュウ(翻訳ニャース))

ピカチュウの言葉を翻訳したニャースのセリフ。


ピカチュウはピカチュウのままであることが重要であると語る。ライチュウに進化して勝っても彼は嬉しくないのだと。

ピカチュウのままで勝ってこそ価値のあるバトルであると彼は感じ取り、そして自分は進化しなくても強いんだぞ!と彼なりのプライドの表れでもある。そう、結局進化して勝ったのではマチスの意見を肯定していることになるからピカチュウもそれを分かっているのだ。

 

後にピカチュウはジンダイのレジアイスに勝ったり、タクトのラティオスに引き分けたり、カプ・コケコに勝利をしたり、アランの600族を二匹を倒したりとピカチュウが好成績を収める度にネット上では「ピカチュウすげえええええ!!!」と話題になるがマチス戦のお陰でピカチュウはピカチュウのまま強くなれたとも言える。

 

サトシにとってポケモンとは

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そんなピカチュウを見てサトシはピカチュウの気持ちを取り汲んでまた再挑戦することを決意した。

ジム戦の時もマチスに対して「進化だけがポケモンを育てることじゃない!」と言っているあたりもう既に彼にとってはポケモンは互いに強さを極め合うパートナーだけではないということが分かっていたのかもしれない。

 

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「そんなの無茶よ!」「ヒトカゲやゼニガメたちが居るんだからちゃんと作戦を立てれば…」「無茶かもしれないけど無理じゃない!これはオレとピカチュウの問題なんだ!」14話 でんげきたいけつ!クチバジム!(サトシ)

そこに無茶だと言うカスミ。他のポケモンを頼れというタケシ。

確かにジムバッチを手に入れるならピカチュウじゃなくて他のポケモンを使ってもいい。

むしろ進化前のピカチュウじゃライチュウじゃ不利なのだ。


だが、サトシはピカチュウでもいける!と思っている。

サトシも相性が不利だと分かっているからこそ無茶だとは理解しているがそれでも勝てる可能性が残されているから無理ではないという主張。

この回の特徴としてはサトシが「ピカチュウの気持ちを考えて、ピカチュウと同じ目線に立つ」というのが大きな点だ。

サトシはピカチュウの悔しい気持ちが分かるからこそもう一度挑戦させようと思うし、彼は無印から今の今までいつだってポケモンのことを第一に考えてきた。

進化前でも、相性が不利でも、倒れる寸前でもポケモンがやる気ならその気持ちを取り汲む。ポケモンリーグでその地方のポケモンだけで出るのもそういう考えがあってのこと。

カスミやタケシの言うことは正論であるがサトシはそういうトレーナーだというのがこの話でわかる。

 

ピカチュウが進化をしない理由、サトシが相性が不利でも戦う理由というこれから先での重要な回がこの回なのだ。

 

進化をしなかったからこそ勝てた試合

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マチスとのバトルではマチスが早い段階でピカチュウをかみなりのいしでライチュウに進化させたため、ピカチュウの頃なら覚えたはずのスピード技を習得させておらずサトシのピカチュウがスピードで撹乱して勝利。

 

サトシのピカチュウがマチスのライチュウにはない所で勝ったところも評価できる点のひとつだ。ちゃんと差別点が作中で挙げられているので納得のできる勝利でもあるのだ。

かみなりのいしなどいわゆる進化石を使うと進化前のポケモンなら覚える技を進化後では覚えられないことがある。

そのようなゲームの仕様を上手く利用してアニメに組み込み、ピカチュウでライチュウで倒したのだ。

 

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サトシの「ポケモンの気持ちに寄り添う」というスタンスはここから始まった重要な回であり、ピカチュウの覚悟もよく分かる回。

 

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ちなみにロケット団がこそこそとピカチュウを応援してるのも中々尊い。

しかも敵ながらにいつも自分たちをぶっ飛ばしているピカチュウが負けたのではロケット団の恥という飽くまでも自分達のためというスタンスなのも良き。

まぁ、これはあくまでも表向きで普通にピカチュウの気持ちに感動していたけどな!!

 

おたすけ評価

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でんげきたいけつ!クチバジム!:★★★★★★★☆☆☆

個人評価:★★★★★★☆☆☆☆
おたすけ評価星七つ!

  • バトル回の評価基準
  1. ストーリー
  2. 展開
  3. 戦術面
  4. 演出
  5. 作画
  6. 意外性
  7. キャラクター
  8. その他

上記の内幾つかの項目を満たしている。またはどれかに特化しているか。
赤文字がプラスポイントで青文字がマイナスポイントだ。
また上記の項目は上から重要な物になっていくがこれは人の好みによって評価が変わるためあくまでもおたすけの評価として見てください。

 

ストーリー、キャラクター

まずはテーマ性で大きく加点。サトシのピカチュウがピカチュウでいる理由やサトシの行動理念という基礎を作った回であり、後のシリーズでもそんなサトシやピカチュウをリスペクトしてるような回が多々ある。

またサトシやピカチュウ、そして敵であれど感動したら時には応援するロケット団なども掘り下げで加点となる。

いざとなればジャリボーイを応援するロケット団がこのような回であったからこそ、シンオウリーグやマスターズトーナメントでサトシを応援しても何も違和感がなくなる。

 

戦術面

かみなりのいしで早めに進化させて、進化前の時だけ覚えたスピード技を覚えていないライチュウにスピード技で勝つ。これはゲーム的戦術で微加点となる。

 

最後のまとめ

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以上、サトシもピカチュウもロケット団も最高な神回でした!

 

ちなみにそれから23年後にサトシはまたクチバジムに訪れるけどそこでマチスの弟子とランクバトルをするからこちらも必見!正直俺にとっては神回レベルのバトルだった

 

此方はサトシとポケモンの関わり方に関係するジム戦、エイセツジム戦